飲食店事業の創造

株式会社sakkuru

広島県福山市

代表取締役 石丸さなゑ

CCSを知ったきっかけについてお聞かせください。

池本さんのメルマガを読んでいたのでCCSの存在は知っていたのですが、はっきりと知ったのはグルコンに参加させていただいた時です。池本さんにアドバイスいただいたことで内容が明確になり、興味をもちました。

その時のキーワードは「属人化」でしたね。抱えていた課題はどんなことでしたか?

はい、キーワードはそのとおりです。休みが取れない、寝られない、忙しい、その割には事業益は出ていない・・・・・・社長がそんなことではいけない、ということが課題でした。

勧められたとはいえ、実際CCSを導入しようと決断できた一番の要素は何だったのでしょう?

もともと売上を伸ばしたくて、その具体的な方法を教えて頂けると思いグルコンに参加したのですが、池本さんがおっしゃったのは、「属人的組織から脱却して黒字化するには、組織の価値観を共有し統一していくことが重要だ」という言葉でした。一瞬反発を覚えましたが、それをやっていなかったということは明らかに自覚していたので、そこが一番の決め手となりました。

CCSを作る上で苦労した点を教えて下さい。

今までやってきていなかったことなので、自分がオープンに言っていくことを恥ずかしく感じました。でも、なぜ恥ずかしいのか?と考えてみると、それが正解かどうかわからないからだ、と気付いたのです。そして、押しつけに聞こえて嫌がられるのではないか?とか、それがきっかけで社員が辞めてしまうのではないか?などという懸念から、「価値観の押しつけ」に聞こえないような文章作りやルールの決め方に偏りがちになり、自分の中でとても葛藤がありました。自信がなかった、とも言えます。

葛藤がありながらも社員が集まってCCSを作ってみた感想はいかがでしたか?
それぞれの考えに、それほど相違はなかったのでは?

そうですね。言葉の使い方や表現はそれぞれに違いがありましたが、色々な他社の参考資料を見させて頂きながらみんなで決めていく過程で、目指そうとしているものと植え付けたいという想いには、大きなズレがないことがわかりました。ただ、それをやろうとしているか、できているか、できていないか、という部分の個人差を、CCSを作っていく時に感じました。意外に私自身よりも社員の方が考えているな、と思うこともありました(笑)

「難しそうだな」「不安だな」と思っていても、実際やってみるとそうでもなかった、ということでしょうか?

はい。難しさよりも、むしろわかりやすくなってくる事の方が多かった、というのが個人的な印象です。感性だけで伝えていても、何を基軸にそれを言っているか、というところまでは相手に伝わりません。CCSが出来上がったことで、「○○って、こういうことだったよね?」と話しやすくなってきています。もっとも、導入したばかりなのでまだまだこれからですが・・・・・・。

CCSを導入後はいかがですか?うまく進んでいますか?

その点は課題を感じています。私は多角経営していますので、同じ時間に同じ事例共有をして、CCSを共有していくことができません。ですからグループ分けをして、各グループでオンライン又は現場での事例共有を行うなど任せているのですが、できているグループはとてもよくやっている一方で、できていないグループは週に1回やるかやらないか、場合によってはもう止めてしまったのではないか?と不安に思うところもあります。
今は、私が主軸で店長を含めたメインスタッフのグループLINEを作り、週に一度、私がグループで良いと思った人の事例共有を動画で流してコメントするなど、相手が見ようが見まいがこちらから投げかける、ということだけは継続しています。これだけはやり続けてみよう、と思っています。

CCSを導入して、何か変化は感じていらっしゃいますか?

はい、明らかに変化を感じています。やる気があって忠実なスタッフと、上っ面だけで仕事をしていたスタッフとの違いが如実に表れはじめました。例えば、今まで目立たず地味で周囲からは「使えない」と言われていたような人が、真剣に事例共有に取り組むことで自覚が芽生えたのか、非常に熱心に売上向上を考えるようになるなど、明確に差が出てきています。頑張ってきた人たちが「がんばっている」ということがわかり始め、反対に、私の見える範囲で上っ面だけで仕事をしてきた人たちは、なかなかよい評価や成果が出なくなっているということがあり、明暗が分かれ始めているように感じます。

具体的な業績、数字の部分というのはまだ大きな変化はありませんか?

CCSを本格的に導入してから間もないので、経理から上がってくる数字には反映していませんが、あるスタッフからは「来週の予約が全部埋まりました」と連絡が入りましたし、別のスタッフも毎日売上を追うようになりました。全員に「目標達成表」というのを作ってもらい、自分でその日の目標を決め、実績を記入し、気づきを書いたものを毎日送ってもらっているのですが、「目標を達成できない日をゼロにする!」という強い気持ちで頑張る人も出てきて、実際そのグループは売上が上がり始めています。逆に、これまでフロントで販売が強かった人が売れなくなってきており、正直驚いています。

社長ご自身にはどのような変化があったと思われますか?

池本さんには見破られていると思いますが(笑)。多角的に経営し、属人的な仕事をたくさん抱えているということを理由に、これまでやるべきことをやってこなかった自分が、「CCSを導入します」と言った以上やらざるを得なくなりました。CCSを具現化するために自らをごまかすことができなくなったので、やりきらなくてはならないし、いつも襟を正していなくてはなりません。そういう意味では自分の時間の使い方が明らかに変化してきました。
また、今まで「目指すものは何なのか」ということを語ることも考えることもせず、ただ利益が第一という思いでやってきたので、「何のために利益を出すのか」ということを考えたこともなかったのですが、最近はそれを語ることができるようなりました。
例えば、本の読み方なども変わりました。「何のためにこの仕事をしているのか」「何をもって自分たちはビジョンを語るのか」ということを自分の言葉できちんと作り、伝えていかなくてはならない、と考えるようになったので、会話も変わり、みんながそのために協力してくれるようになってきたことを実感しています。

今後、どんなことに取り組んでいきたいとお考えですか?

まだまだ先は長いかもしれませんが、社員の評価制度をしっかり確立してオープンにし、CCSに盛り込みたいと思っています。そして「自分はここまで目指したい」「なるほど自分はこうなのか」などと、社員それぞれが自分と向き合うことができる一冊となるよう、CCSを磨き上げていきたいです。
CCSには評価制度を記載する項目があるので、「評価のことはここに全部書いてありますよ」と言えるようになるととてもありがたいです!次のCCS改定の時に、それも考えていきたいです。

では、最後の質問です。CCS導入をどんな人に勧めたいですか?

それは問答無用(笑)で、一人で仕事を抱える中小企業の社長さんに、是非導入していただきたいです!営業をして、マネージメントもして、財務もチェックして・・・・・・と、私と同じように一人で切り盛りされている方はたくさんいらっしゃると思うので、そういう方々がCCSを導入されたら、とてもハッピーになれると思います。

他にCCSについて何かコメントがありましたらお願いします。

私が今回CCS作成で一番感じたことは、私の気づきにしても、先ほど触れた社員の話にしても、良い部分も悪い部分も浮き彫りになる、ということです。だからこそ、恐いという思いはありました。自分でもそこは気付いていた部分です。CCSで色々なことを明確化したことで方針に合わない人も出てくるのは当然で、アルバイトでさえ辞める人が出ました。私がこれを真剣にやればやるほど、離脱者もある程度出てきて、明暗が分かれてくるだろうことは予想しています。でも、だからこそシンプルになると思うのです。
社員11人、アルバイトを含めて50数人の小さな会社ですが、今回CCSに向き合って一生懸命やるなかで、「社長、がんばります!」と言ってくれる人が6人くらいいます。私はこの比率を、高いと思っています。たった一人でも協力者がいればいいと思っていたので、こんなにも仲間に恵まれていることに気付くことができ、そういう意味でも、CCSを導入して本当によかったと思っています。

TOP
TOP